しまなみ第4の島、大三島(おおみしま)へと辿り着きました。
(オレンジ色がこれまで走った行程)
2日目も夕方です。
多々良大橋から自転車で10分も走ったところに本日の宿を発見したので、早速ぐったりと休みたいと思います。
はあ、ハードな展開の1日だったわ・・・
2日目の宿はこちらの民宿。珈里葡さん(かりぶ)
ん?準備中っていう看板が出てるけど??
正面の扉から入ってみると・・・
そこは喫茶店の様な雰囲気の部屋。
しかもあからさまに営業終了後という雰囲気。
椅子がテーブルに上げられてるし、掃除道具が置いてあったりするし・・・
あれ??どうゆうこと?ここ民宿じゃないの??
奥へと続く扉もありますが、そこを開けても誰もいない・・・
むう。
よくわからないので一度外へ出る。
建物の右奥の方から人が出ていくのが見えたので、そちらへ行くと民宿の入口らしき扉が・・・
あ、こっち??
じゃあさっきのは隣接した喫茶店か何かか。
また何か変な展開が起きるのかとドキドキしたよぉ・・・
中に入り民宿の元気な方と、今日の台風は大変だったなんて話をしながら手続き。
「2階の一番手前の部屋ね! 今日、2階は一人だけだからね!」
お、2階は僕の貸し切りじゃ!
共同お風呂の民宿です。
久しぶりだなあ、こういうの。
子どもの頃、家族旅行で西伊豆に行った時以来だから、20年以上ぶりだよ。
何だか漫画家が集まって暮らしているアパートみたい。(どんな例えだ!)
この小さな部屋に布団を敷いて寝転がる。
くう~、今日は辛い1日だったわあ・・・よくまあ大三島まで辿り着けたものだ~。
パンクの事なんて今日の事とは思えんくらい過去に感じる。
さて、食堂で夕飯にしましょう☆
おおーーー!!!魚もお肉も出てきて豪勢!!!
「兄ちゃん若いからね!お肉もつけといたよ!!」
ええ?!見た目で料理も変えてくれるんですか!!!なんて素晴らしい民宿なんだ!!
この魚が獲れたてなのか、本当に美味しい!!
幸せだあ♪
そう、美味しいものをいただくのって幸せだよね~!
一生懸命走らせてきた甲斐があるってものだよ!!
「ここの刺身はヘタな高級ホテルよりも絶品なんだぞ」
突如、横で食べていた色黒のオッチャンが話しかけてきました。
「兄ちゃんドコから来たんだい!自転車か!?」
見た目60歳くらいのオッチャン。ワイルドな性格で人生を歩んでいる感じです。
「自転車で来ました。雨で参りましたよー」
「雨が降ってる間も走ってたってか!いいじゃねえか、男は冒険だ!」
聞けばオッチャンは60を過ぎているのに工事現場の監督をやっているのだとか。
わざわざ愛媛県の中心地から工事のために大三島に泊まりこんでいるのだという。
「もう随分この島にいるからな!この宿にも詳しいってもんだ!」
「長いんですか工事。もしかして一ヶ月とかいるんですか?」
「7ヶ月だよ」
「な・・・??」
太陽光発電に関する一大事業の現場監督を務めているらしく、大勢の猛者を指揮しているのだとか。
僕がかなり興味持ってどんな仕事なのか聞くもんだから、この7ヶ月の苦労話をたくさんしてくれました。
一度、自分の部屋に戻って、工事初期の写真とかも見せてもらったり。
「本当に一大事業ですね!誇りになる仕事ですよこれは!!」
「そう言ってもらえると嬉しいなあ」
僕も”何かを作り上げる”という事を仕事にしているので、オッチャンの現場監督という仕事には尊敬するものがありました。
1時間くらい二人で大いに盛り上がりました。
「明日、もし通ったら工事現場、眺めてってくれや!!」
「ありがとうございます!そうしようと思います!」
きっと現場では怖い人なんだと思う。
見た目からしてそうだったもん。
でもこうして民宿で出会った僕に優しく接してくれたオッチャン。
結局、翌日にオッチャンの現場を発見することは出来ず。
(どうも言われた道順が違ったらしい)
二度と会う事は無かったのだけれど、後日、旅から帰った後に調べたら、オッチャンの言っていた工事現場は本当に凄まじい規模の現場だとわかった。
大企業がプレスリリースしていた。
さらに数か月後、その工事は完成した・・・
オッチャン、わずか1時間ほどの出会いだったけど、本当に忘れられない思い出になったよ。
楽しい時間をありがとう。
左、僕。
右、オッチャン。
こうして旅の二日目は終わりを告げました。
辺りは漆黒の闇となり、ほんのりとライトアップされる多々良大橋。
明日は最終日。
ゆっくりと休みます。