下山しようと思い、ケーブルカーの駅舎に行くと、職員さんから衝撃的なヒトコト。
「ケーブルカーやってないよ」
↓前回
ええぇ?!(;゚Д゚)
ちょ・・・
どういう事だっ?!(; ・`д・´)
広告
2日目 14:30 比叡山延暦寺・ケーブル延暦寺駅
分厚い雲が覆う比叡山。
雪は降り続け、気温は下がる。
そんな中で言われたのが、ケーブルカーやってないという言葉。
何とこの日。
いや、前後数日に渡り、ケーブルカーはメンテナンス業務のため、運営していないのだという。
「じゃ・・・どうやって下るんですか」
問いかけると職員のオジサンはちょっと悩んだ様子を見せて答えた。
「路線バスも無いし、歩いて下るしかないなあ」
歩いて?!
もう体力使いまくってる上に、雪も降ってる中だっていうのに?!
それにまだ14時30分だとはいえ、分厚い雲のせいで暗いんだけど・・・
「アンタどうやってココまで来たの?」
今度は職員さんからの質問。それに答える。
「いや、日吉大社から歩いて登ってきました」
「こんな日に?!いや、こんな冬に歩いて登って来る人なんていないって」
そうなの?!(;゚Д゚)
そういえば・・・
あのルート、僕以外には誰一人として歩いてなかった・・・
よく思い返してみると、歩いて登る人どころか、ケーブルカーの駅舎に向かう人すらもいなかった。
「この時期はね、京都から車で登って来る人しかいないんだよ」
京都・・・
いやいや、それは遠すぎる・・・
ていうか路線バスすらも無いだなんて・・・
自分の気持ちとしては完全に「ケーブルカーで降りる」つもりでいたので、それが歩いて下山に変わっただけでも精神的にくるわ・・・
しかも!ちょっと怖い、あのルートを・・・雪の中で。
↓あのルート
「こっちのルートなら道も広いし、早く降りれるかもしれないぞ」
職員さんは別のルートを教えてくれました。
さすがはココで働く人だ。
道が広いんなら安心感がある。
お礼を言って、新しいルートを下り始めます。
確かにコンクリートの道路で下れます。
雪が強いのが恐ろしいので、足速になってしまいますが、歩きやすい道なのでドンドン標高を下げていけます。
このペースなら雪が積もり始めるという事も無さそう。
しかし道は次第に狭くなっていきます。
雲なのか、霧なのか、よく判断出来ない白いモヤの向こうに、時々、お寺らしきものが存在していたりします。
そんな道を15分ほど下ったでしょうか。
これまたショッキングな看板が設置されていました。
「この先、閉鎖中」
なんだと!!!!??(# ゚Д゚)
時間が・・・
かなり下った後だというのに閉鎖か!
どうする!
どうするも何も、一度、延暦寺まで戻るしかない!
15分かけて下った道を、今度は急いで急いで同じくらいの時間をかけて登る事が出来ました。
もうケーブルカーの駅舎には職員さんの気配はありません。
というか・・
観光用の駐車場には車も止まっていません。
最悪、誰かに乗せてもらって京都まで運んでもらおうかとも考えてましたが、それも無理そうです。
駄目だ・・・あのルートで下山するしかない。
戻ろうと歩いていると、延暦寺に入るところに、先ほど見かけたチケット売り場がありました。
そこには延暦寺に入るための券が売られています。
え・・・
本来、ここで券を買って延暦寺に入るのか!!!
すると僕は、裏口みたいなところから勝手に入ってしまったという形になるのですね?
なんてことでしょう・・・とても良くない事をしてしまっています。
延暦寺の方に事情を説明し、こんな時間ですが入れてもらいました。
そのまま延暦寺を通り抜けさせてもらい、下山ルートに入ります。
登ってきた時より、雪が積もってます。
そして暗いです。
その心境をツイッターにてつぶやいたところ、偶然読んでくれたのが、この辺の山に詳しいと思われる方。
「1時間ほどで下れると思いますよ。でも滑るから気を付けてください」
1時間か。
そこからの1時間はもう、いっぱいいっぱいでした。
急ぎたい。
でも滑って捻挫でもしたら危機的だ。
登るとき「怖い」と感じたルートを、慎重に慎重に進みます。
長い長い、下山道は標高が下がると、雪から雨へと変わりました。
少しほっとした頃、ついに・・・遥か遠くに町が見えてきました。
人の気配の感じる建物もあるし、何とか無事に下山出来た様です。
こんな日に降りてきたせいか、地元の人は不審そうに僕を見ていました。
ふう、何とか帰還。
いやあ、疲れた。
本当に疲れた。
一人で旅する時は、もっと行く場所について考えなくては・・・
この1時間30分ほどの出来事。
写真を撮る余裕はなく、今回の更新はほぼ文章のみ。
しまなみ海道編の「台風の中で自転車を漕いだ生口島」と、この比叡山での出来事は、僕の旅の中での、2大・緊迫感として今でも残っています。
延暦寺さん、裏口から入ってしまい、申し訳ありませんでした。